アトピー性皮膚炎の新しい注射薬 アドトラーザ

こんにちは。白鳥皮フ科クリニック、院長の林です。

アトピー性皮膚炎に生物学的製剤の3つ目の注射薬であるアドトラーザが、おそらく春ごろに発売される予定です。

 

 

 

 

 

 

デュピクセントが最初に出て、痒みに特化したミチーガが出て、今回のアドトラーザはデュピクセントに対抗する注射薬となります。

簡単に説明すると、アトピーに悪さをするIL13というサイトカインが細胞にくっつくところに先にくっついて、IL13に作用できなくさせるのがデュピクセント。
そのIL13に直接くっついて、作用できなくするのがアドトラーザです。

このことから、理論的に言うとデュピクセントは使用をやめた時くっつくところが解除されるとIL13がすぐに作用してしまうので、皮疹が早く再燃すると思われます。
その点アドトラーザは、作用できるIL13自体が不活化されているので、皮疹の再発は遅くなる可能性があると考えられます。
ただ生体内ではデュピクセントはIL13を作っているTh2細胞自体を減らしてしまう作用があるので、本当のところはどちらが再燃しやすいかはまだわかりません。

今度はデータで見てみましょう。

皮膚症状が75%以上改善する指標であるEASI75は、16週間後ではアドトラーザが56.4%、デュピクセントが68.9%と、デュピクセントが10%以上上回っています。
ということは、デュピクセントの方が効いてくるまでの時間が早いということです。

これがアドトラーザは32週間後に70.2%で、デュピクセントは52週間後に62.3%となります。
同じ条件で比較しているわけではないので必ずしも正しいとは言えませんが、長期では有効率がアドトラーザの方が高いデータとなっています。

実際は沢山の患者さんにあたってみないと本当のところの評価はこれからです。
まだ発売されていませんからね(^-^;

副作用に関してはデュピクセントは結膜炎が多かったですが、それはアドトラーザは多少少ないようです。(デュピクセント17.9%>アドトラーザ5.8%)

内服と違って帯状疱疹や単純疱疹は出にくいところは、デュピクセントと同じようです。

生物学的製剤の注射薬は間隔をあけすぎると薬の効果を無くす中和抗体ができて、効きにくくなると言われていますが、デュピクセントは現在4年目のデータが出ており、それは0%です。
デュピクセントが0%となると、現在2週間に一度注射しているのを調子が良ければ2~8週の間で悪くなったら打つなど、投与の間隔をあけていく事が可能になるかもしれません。

どちらにしてもアドトラーザは今からデータの積み重ねが必要ですね。
選択肢が増えることはいいことなので、期待しましょう。